昔から「夏休みを制する者は受験を制す」と、言われるように受験生にとって、高3の夏休みは貴重な時間です。
しかし、40日近くあると時間があり過ぎて、効率よく勉強するにはどうしたらいいか困ってしまうかもしれません。
そこで、この記事では、受験生の夏休みの過ごし方について、夏休みの勉強時間、夏休みにやるべきこと、勉強以外の夏休みの過ごし方について解説します。
後悔しない夏休みを過ごすためにも、ぜひ、最後までお読みください。
受験生の夏休みの勉強時間
夏休み中、どのくらい勉強時間を確保できるでしょうか。
夏休みの勉強時間について解説します。
夏休み中の勉強時間は最大で400時間
受験生を対象にしたあるアンケート調査によると夏休み中、塾や予備校以外の勉強時間は平均7.6時間でした。
塾や予備校に通っていれば、さらに勉強時間は増えますが、勉強時間が長すぎると疲れから学習効果も効率も低下します。
学習効果や効率を下げないように適度に休憩を挟みながら、確保できる勉強時間の目安は1日8~10時間、夏休み全体で最大400時間ほど、勉強時間を確保できます。
高校3年間で必要な勉強時間
上記の調査によると高校3年間で必要な勉強時間は、国公立大学を目指す場合、2,000~3,500時間、私立の場合、2,000~2,400時間とのことでした。
3,500時間、勉強する場合、高校3年間の日数を大まかに1,000日として計算すると、1日3.5時間勉強する必要があります。
部活やアルバイトをする人もいるので、3年間、毎日休まず勉強するのは現実的ではありません。
夏休みは不足する勉強時間を補う・巻き返す意味でも勉強する必要があります。
受験生が夏休みにやるべきこと
受験生が夏休みに勉強するのは当然ですが、何を勉強するかを決めなければいけません。
受験生が最後の夏休みに一番、やってはいけないのが目的もなく「とりあえず勉強する」ことです。
受験生が夏休みにやるべきことについて解説します。
基礎を固める
まずは基礎を固めることが重要です。
受験で出題される問題は、どの教科もすべて基礎となる知識が身についていないと解けません。
一見すると、難解な問題も基礎知識の組み合わせたもので、落ち着いて考えれば解くことができます。
高3の夏休みは基礎を固める最後のチャンスです。
2学期以降に基礎を固める時間は残されていません。
夏休みに各教科の基礎をしっかりと固めて、2学期の勉強で出遅れないようにしましょう。
志望校の出題傾向を調べる
次に志望校の出題傾向について調べましょう。
過去問を繰り返し解いていくことで問題のクセや特徴が見えてきます。
問題のクセや特徴が分かると、自分の能力で不足している部分が分かるため、今後の勉強計画が立てやすくなります。
志望校と、同程度の難易度の学校の過去問が解けたとしても、学校ごとに重点を置いているポイントが異なるため、必ずしも志望校の問題が解けるとは限りません。
志望校の出題傾向を調べて、今後の勉強計画に活かしましょう。
演習問題で実力をつける
演習問題を解いて、実力をつけましょう。
夏休みは勉強時間が長く取れるため、演習問題を繰り返し解くのに最適です。
演習問題は教科書よりも上で、本番の受験よりも下くらいの難易度がベストです。
ただ、問題を解くのではなく、問題を作った作成者の視点で分析してみましょう。
作成者の視点で問題を見ると、問題の型が見えてくるので、解き方も分かるようになります。
繰り返し演習問題を解いて、問題の型を見つけましょう。
勉強のスケジュールを立てる
具体的なスケジュールを立てましょう。
どの教科をどこまで、いつまでに勉強するかスケジュールを立てるとゴールが明確になり、モチベーションも上がります。
週単位の計画を立てる
1週間ごとの計画を立てましょう。
1週目は英語、2週目は数学など教科ごとでも各教科、「〇ページまで」などでも構いません。
自分のやりやすい形で大丈夫です。
細分化して、1日ごとにスケジュールを組むのもおすすめです。
1日ごと1週間ごとの学習範囲が決まれば、時間を無駄にしないで効率よく勉強ができます。
ただし、スケジュールをガチガチに押し込むのは、おすすめできません。
イレギュラーなことが発生した場合、スケジュールに余裕がないと自分を苦しめます。
少し余裕を残してスケジュールを組みましょう。
達成タスクを立てる
スケジュールを組んで勉強すると、最初はスムーズに進みますが、徐々にペースダウンしたり、モチベーションが低下して、せっかく組んだスケジュールが計画倒れで終わる可能性があります。
これらを阻止するために「数学で〇門解く」「英単語を〇個」など、1日単位でも週単位どちらでも良いので、達成タスクを立てましょう。
タスクを達成すると、勉強が進んでいることが実感できて自信にもつながります。
モチベーションアップにもなり、計画倒れも防げるので効果的です。
夏休みの過ごし方
夏休みに受験勉強に集中するのは良いことですが、受験勉強だけしていれば良い訳ではありません。
勉強以外にもすべきこと・注意しないといけないことがあります。
それらについて紹介します。
生活リズムを崩さない
夏休みは40日近くあるため、生活リズムが不規則になりやすいため注意が必要です。
普段より勉強し過ぎても、勉強せずダラダラ過ごしても、どちらも良くありません。
学校がある日と同じ生活リズムで過ごすことが大切です。
夏休み中、昼夜逆転の生活を送ってしまうと、2学期になって生活リズムを戻すのは大変です。
生活リズムを早く戻さないと、日中眠くて授業に集中できずに勉強で後れを取る可能性があります。
その後れを取り戻すために勉強するのは無駄でしかありません。
たま、生活リズムが崩れると身体のリズムが狂いやすくなり、健康管理の面でも良くありません。
夏休みだからといって油断せず、普段と同じ生活リズムで過ごしましょう。
睡眠時間を削らない
受験生は睡眠時間を削って勉強するイメージがあるかもしれませんが、この勉強方法は受験生が一番してはいけないことです。
睡眠中は身体が休まるだけではありません。
睡眠中の脳は、勉強した内容を記憶として整理し定着させます。
睡眠時間を削るということは、記憶の整理と定着する時間を奪い、学習効率を低下させます。
そもそも、睡眠時間を削ると身体を休息させる時間を奪うだけでメリットがありません。
睡眠時間を削らずに十分な睡眠時間を確保しましょう。
スマホをいじらない
眠る前に少しだけ、スマホで調べものやゲームをしようとしたら、あっという間に時間が過ぎていた経験はありませんか?
スマホを触っていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
特に集中力が切れた時にスマホを触るのは危険です。
ちょっと気分転換するつもりが数時間過ぎていて、勉強時間や睡眠時間を削らせることがあります。
スマホを触る頻度が高いと、生活リズムが狂う恐れもあるため、勉強中は通知を切る、スマホを部屋には置かないなど、スマホを見ない・触らない工夫をしましょう。
適度な運動をする
夏休みは運動不足になりがちです。
特に勉強中は同じ姿勢が続くため、血流が悪化し、脳の動きが低下して学習効率が悪くなります。
散歩やランニング、腕立てや腹筋でも良いので体を動かしましょう。
適度な運動をすると血流が改善するため、脳の動きが良くなります。
また、リフレッシュ効果もあるので、勉強に集中しやすくなります。
友達と過ごす時間を作る
受験生にとって、夏休みは受験勉強に集中する重要な時間ですが、高校生最後の夏休みとして友達と一緒に過ごす時間を作るのも大切なことです。
気持ちの切り替えや休憩も兼ねるので、友達と過ごした後は改めて受験勉強に集中できます。
図書館などで一緒に勉強するだけでも気分転換になるので、友達と過ごす時間を作ってみましょう。
モチベーションが上がらない時の対処法
40日近い夏休みの間、集中力とチベーションを維持して勉強するのは人によっては難しいかもしれません。
勉強へのモチベーションが上がらない時の対処法を2つ紹介します。
ポモドーロテクニックの活用
ポモドーロテクニックとは、生産性を上げるための時間管理術です。
25分間勉強して、5分間休憩する。
これを1セットとして繰り返し行うだけです。
25分間だけ勉強することで集中力を高めることができます。
そして、5分間の休憩を挟むことで疲れを抑制できるため、学習効果が高い勉強ができます。
合格した自分をイメージする
『入学したい学校がある』『なりたい職業を目指す』など、明確な目的があっても受験勉強を続けていると、疲れや不安から勉強を続けることに意味があるのか。
など、ネガティブな感情でいっぱいになり、モチベーションが低下する時があります。
このような時は、合格した自分をイメージしてみましょう。
合格した自分をイメージすることで、モチベーションアップにつながり、合格するために何をすべきか現実的な考えを持つこともできます。
後悔しない夏休みにしよう
夏休みの過ごし方次第で、受験の結果は変わると言っても過言ではありません。
「もっと勉強していれば…」と、後悔しないために、この記事を参考にしてもらえれば幸いです。
受験勉強は、もちろん大切ですが休息も同じくらい大切です。
睡眠時間をしっかり確保して、生活リズムを崩さず、友達と過ごす時間を作るなど、気分転換やモチベーションを維持する工夫も忘れないでください。
受験後に、「高3の夏休みに頑張れたから合格できた」と、思えるような夏休みにしましょう。